琵琶湖

 

琵琶湖は地殻変動で出来た構造盆地の底に水を湛えた湖で、約400万年前に現在の三重県上野市のあたりに誕生した(古琵琶湖)。その後、古琵琶湖は時代と共に場所を変えながら何度も現れては消え、約43万年前に現在の琵琶湖になったと考えられている。
琵琶湖はバイカル湖(淡水湖)、タンガニーカ湖(淡水湖)、カスピ海(塩湖)とともに世界で20ほどしかない古代湖の一つである。

 

「琵琶湖」の名前は、湖の歴史に比べて新しく、文献に最初に現れるのは16世紀初頭である。それまでは近淡海、淡海などと呼ばれていたようだ。
「琵琶湖」の名前は、湖に浮かぶ竹生島に祀られている弁才天の持つ楽器の琵琶が湖の形状に似ていることに由来するらしい。また、湖水のさざ波と琵琶の音色が似ていることも関係がありそうだ。

 

湖に楽器の名前を当てるのは世界的に見ても珍しく、日本人の独創性がうかがえる。日本国内でも「諏訪湖」「十和田湖」など地名を由来とするネーミングが多い。

「諏訪湖」は沢湖(サワコ)から転じたと思われる。

 

 

 

「十和田湖」はアイヌ語の「岩だらけの湖」に由来する。トー(湖)ワタラ(岩だらけ)。

 

世界的に見ても「バンジョー湖」「ギター湖」は見当たらない。イスラエルに「竪琴を意味する湖」があるが、正式名称は「ガリラヤ湖」でガリラヤ地方に由来する。ヘブライ語で「竪琴を意味する」キノールに由来してキネレットとも呼ばれているらしいが、どこまで一般的かは分からない。ガリラヤ湖の航空写真を見ると確かに竪琴に似ている。しかし、航空写真のない時代に「竪琴を意味する湖」と命名するには、やはり琵琶湖と同じようにさざ波と竪琴との「音の親和性」にその理由を求めたくなる。

 

琵琶湖は面積670平方キロメートルで、日本最大の湖であることはもちろん、流入する河川は400本を超え、正に“Mother Lake”と言える。
一方流出する河川は瀬田川と人工の琵琶湖疎水の2本だけである。
瀬田川は滋賀県を出ると「宇治川」「淀川」と名前を変えて大阪湾に流れ込む。
琵琶湖の湖面標高は約85mで、最大水深は約103mである。

 


近江八景「比良暮雪」で有名な比良山系。柳が崎湖畔公園から撮影した。

 

膳所城跡公園から見た近江大橋。

膳所城跡に城の痕跡を探すのは難しい。

 琵琶湖は平安時代には「鳰(にお)の海」と呼ばれていたらしい。

 

鳶だと思うが、よく分からない。

さかんに水面を漁っていた。

 

天智天皇を祀った近江神宮。

667年から672年にかけて京の都だった。

 

鳰(にお)とはカイツブリのことである。

 

みおの海に網引く民のてまもなく 立ちゐにつけて都恋しも(紫式部)

 

オオバン。

このあたりでは最も個体数が多いのではないか。